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商品詳細

Steve Thomsen “Report of Golden Chromosomes” [CD]

価格: 2,000円(税込)
Label: NEUREC - NEUREC-SR

LAFMS文化をディープに伝え続ける伝道師"T・坂口"氏のレーベルNEURECより、LAFMS系重要作家Steve Thomsenの新作ソロ音源が登場!!外箱付きの特殊装丁!!

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Steve Thomsen は Solid Eye の一員として来日したこともあるアメリカの芸術家だ。同ユニットの Rick Potts と Joseph Hammer が Los Angeles Free Music Society (LAFMS) のメンバーなので Steve も LAFMS の作家だと思われがちだが、彼にはそうした認識 が無い。彼の出自は 1977 年にカリフォルニア州サン・フェルナンド・ヴァレーで発生した芸術家の団体、World Imitation Productions (WImP) にある。
WImP の作家達は絵画やコラージュ、出版を手法として活動を行っていた。並行して Monitor というバンドを結成し、Steve はキーボード奏者として参加する。Monitor は 1979 年にシングル盤 “Beak” でレコード・デビューを果たす。このシングル にゲストとして Boyd Rice が参加した。彼のソロ・ユニット Non は当時 Monitor はとライヴで共演することが頻繁にあったよ うだ。Monitor は 1981 年にアルバム “Monitor” を WImP から発表する。このアルバムは同年、Ata Tak からドイツ盤が出版さ れた。しかし Monitor は 1982 年に解散してしまう。
以降 Steve はソロ・活動を始める。バービー人形で有名な Mattel 社が開発したキーボード型の光学式ディスク再生装置オプ ティガンを多用した彼の音楽群。1980 年代にそれらは 14 本のカセット・アルバムに収録され自主出版された。とても変わ ったメロディとリズムを持つ彼の音楽は、よく The Residents の作品と比較されている。それら Steve の作品を聴いた Boyd Rice は「こんな奇妙な音楽はこれまで聴いたことがない」と評したという。
1992 年に Steve は Rick Potts、Joseph Hammer と共に Solid Eye を結成する。同年には Lifesize Music というレーベルからソロ・ カセット・アルバム “World of Insects” を発表した。1995 年には Joseph とのユニットである Swan Trove のカセット・アルバ ムを発表する。彼は多様な形態での活動を行い始めたのだ。
1990 年代に Solid Eye はロサンジェルスの Senseworks などから CD あるいは LP でアルバムを発表している。Solid Eye に在席 しながら、2000 年に Steve はロサンジェルスの Transparency から 2 つのソロ CD を発表した。その一つ “Retrospective” は過 去の作品からの抜粋に新作を併せたコンピレーションである。もう一枚の “Folding Pineapple” は新作のみから構成された。 2001 年に彼は “Conglomerate Ceiling” と題した新作を CD-R で自ら出版する。併せて 1995 年に出版した Swan Trove のアルバ ムに未発表トラックを追加した改訂版を CD-R で発表。2002 年には 5 枚のソロ・アルバムを CD-R で自主出版する。これらは
過去に発表した作品のコンピレーションだった。
頭士奈生樹さんにそれらの作品を聴いて頂いたことがある。彼は「世界をそのまま音楽にしたような作品だ」と評していた。
同じく 2002 年に Steve は Solid Eye の一員として来日を果たす。だが、以降暫くは音楽活動を中断していたようだ。だが 2015 年、NEUREC から “Skeleton Works” と題された 5 枚の CD-R が出版される。これらは 1980 年代に Steve が発表したカセットの 再発出版物だった。併せて 2000 年に出版された “Retrospective” に収められていた当時の新録音作品も収められている。
これがきっかけとなったのか、彼は再び音楽創りを始めた。2015 年から 2020 年にかけて、Steve は 8 枚のアルバムを CD-R で発表している。内の 1 枚は 2001 年に発表した “Conglomerate Ceiling” の改訂版だった。この度、これら 2015 年以降に制作 された新作の内、2019 年のアルバム “Report on the Golden Chromosomes” を NEUREC から CD として出版する次第となった。
Steve Thomsen の新しい音楽には明確なリズムは無い。美しい蠢きを見せる持続音で構成されている。いわゆる New Age と呼 び得る音楽かも知れない。実はその音楽はとても奇妙なもので、巧妙に感情へと訴えかけて来る。とりわけ、アルバム “Report on the Golden Chromosomes” は彼が持つ創造力の頂点を提示するものだったの。そこで私は CD として再発させて貰えないか 打診を行ったのだ。再発に際しては素晴らしいサウンド・エンジニアである石崎信郎氏へマスタリングを依頼した。その結 果はお聴きの通りである。
石崎さんはワーナー・パイオニア (現ワーナーミュージック・ジャパン) にサウンド・エンジニアとして勤められ、中森明菜 さんなどの作品を担当された。中森さんが Mike Oldfield の作品にインスパイアされ初めてセルフ・プロデュースを行ったア ルバム『不思議』においては、リミックスとマスタリングを担当している。この作品は中森さんの声を器楽音の一部として 処理した点において日本ポピュラー音楽に変革をもたらしたと言われる一作だ。そんな石崎さんのマスタリングを経て、豊 かな立体感と音のうねりを獲得した音楽をお楽しみ頂きたい。
なお、アルバム・タイトルは元とは少し変わってしまい “Report of Golden Chromosomes” となった。私の勘違いによる変更 であり、それについてはこの場を借りてお詫びさせて頂く次第だ。