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商品詳細

一柳慧 "船隠" [CD]

価格: 2,600円 (税込)
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Label: Edition Omega Point - OPA017

「船隠」は1963年、香川県高松市の船隠[1]にあったホテル・船隠苑のオープニング記念に披露された、琵琶の音や波の音を変調して作られたテープ作品[2]。ホテルのオーナー(漁業で財を成したらしい)は、漁師の投網を使った粟津潔の作品をロビーに展示するなど現代芸術に理解があり、石彫作家として知られる空充秋(1933 - )がこの新しいホテルの造園を任された。その関係で、スピーカーを埋め込んだ石造のボックス10数点を制作し、オープニングではそれらを使って、庭園で音が流されることになった。石造スピーカーはそれぞれ「石櫓太鼓」、「地鳴」、「地球音」などと命名された。庭園内の石垣、池、地中など様々な場所に設置され、サウンド・インスタレーションのような演出で上演された。曲の制作やスピーカーの取り付けには、草月アートセンターのエンジニア・奥山重之助が協力した。秋山邦晴もなんらかの形で協力したようで、翌年東京オリンピックの選手村の施設内で流す音楽を秋山が制作した際にも、これと同様の石造スピーカーが使われた。

1964年作曲の「ライフ・ミュージック」のオリジナルは、ここに収録したテープ・バージョンである。オーケストラル・スペースで演奏され、後にLPおよびCDになったもの[3]は、オーケストラのすべての楽器にコンタクトマイクを取り付け、変調されるとともに、この作品のために奥山重之助が特別に作った装置[4]でミックスされた、別バージョンと呼ぶべきものである。
しかし実際は、このときの読売日響はこのコンタクトマイクを取り付ける指示を拒否してしまい、結局コンタクトマイクではなく通常のマイクを使って演奏された。したがって一柳が考えた完全な形での演奏は未だに実現していない。 (omega point)

脚注
1:船隠の地名は、平家が源氏の海上からの攻撃に備え、この地域(庵治町)に兵船を隠したとの言い伝えによる。庵治石の産地で、空充秋の作品もここで多数作られた。
2:今回使用のテープには波の音らしき部分は聴き取れない。別のチャンネル用のテープがあったのだろう。
3:一柳慧が企画・構成した現代音楽のコンサートシリーズ。「ライフ・ミュージック」が収録されているのは、"Orchestral Space At Nissei Theatre 1966 Volume 1" (LP: Victor VX-69 / CD: Tower Records NCS-544) 。
4:この装置に関するオリジナルLPの秋山邦晴の記述は以下の通り。
「・・・この拡大された音響は、さらに多くの変調器やESB(奥山重之助考案になる電子的音響変形機=Electronics Sound Breaker)へと送られ、オリジナル版のテープでドライブされる。するとオリジナル版の無音の部分では、オーケストラの音響も自動的にスピーカーから消され、ステージの上の生ま音だけが伝わってくる。(後略)」
5:解説は一柳・空両氏からの聞き取りを中心に構成した。

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