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鈴木創士+森田潤 / SÔ-SI SUZUKI + JUN MORITA "残酷の音楽/LA MUSIQUE DE LA CRUAUTÉ " [CD]

価格: 2,750円(税込)

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Label: Les disques dʼAilleurs

アントナン・アルトーのオペラ作品をコンセプトとした激ヤバ音源!!

ー20世紀フランス/米国の作曲家エドガー・ヴァレーズと、詩人であり「残酷の演劇」を提唱する演劇家アントナン・アルトーは、かつてオペラをつくろうとしたことがあった。オペラは完成することなく、幻となった。この幻が何らかの形で我々に取り憑き、「別の音楽」を耳元で奏でている。だが音楽には「ここ」がないと思えるときがある。それはすぐ近くの「他処」で演奏されている。我々はこの「別の音楽」を我々の作品として空想し、アレンジした。ー

 「アルトー」と「音楽」の結節点を追求するなら、アルトーを熟知した仏文学者、ミュージシャンの鈴木創士以外ありえないだろうし、アルトーが「残酷演劇宣言」(1938年)の「楽器」考察で夢想した「金属の特殊な溶解や新しくなった合金に基づいて、オクターヴの新しい音伹に達することができ、耐え難い、神経にさわる音や騒音を生み出すことができる道具と装置」を駆使すべきであれば、やはり常々アルトーを語る森田潤以外にはありえないだろう。アルトーに呪われてきたとも言える二人が、初の公式盤「Vita Nova」に続き、いよいよ本領に入ったのが本作である。

 寸断され、反復されたアルトーの声、AI生成された声ならぬ声や叫び、嗚咽、脅迫観念的なビートと喧騒、古いレコードから聞こえるよう憂鬱なピアノ、度重なる変調、断片化された荘厳な多重レクイエム、そして延々続く砂嵐のような静かなノイズとただよう音...。台詞そのもの、台詞の交換や感情移入や観客の共感、もっと言えば始まりと終わりがあるような演劇とは程遠く、五感を刺激して人間の根源を揺さぶるような全体演劇を希求したアルトー。この全10曲からなるアルバムもまた、ジャンルとも、メロディーとも、リズムとも程遠い「音楽」であるが、その音の塊は集中を強い、没入させ、ここではないどこかへと連れ去ろうとする。そして何より、不協和音と脱臼的なリズムに満ちてなお、美しいのである。終曲「三文オペラ」の、夢幻の中に佇むような寂寥としたアンビエントまで、じっくりと体感していただきたい。

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